1型糖尿病
日本糖尿病学会が行う専門医試験を合格した医師に与えられる資格です。
専門医試験には以下のような条件があります。
十分な臨床経験がある医師を対象に、日本糖尿病学会が認定する教育病院において、3年以上の臨床研修を終え糖尿病臨床に関する学会発表または論文発表などの条件をクリアし、日本糖尿病学会が行う糖尿病専門医試験に合格した医師に対して日本糖尿病学会から与えられる資格です。
また、糖尿病専門医は5年に1度の更新制度により一定のレベルが保てれています。
1型糖尿病とは?
体内でインスリン(血糖値を下げるホルモン)を分泌する膵臓の細胞(β細胞)が何らかの理由により破壊され、インスリン分泌が枯渇(ほとんどない)して発症する糖尿病のことです。
1型糖尿病の原因
大きく2つに分けられます。自己免疫性(IA型)と特発性(IB型)です。
- 自己免疫性:
遺伝素因のもと、自己免疫異常によって発症します。本来体を守ってくれるはずの自己抗体が何らかの拍子にインスリンを分泌する膵臓の細胞(β細胞)にペタっとくっついてしまって発症します。医学的には、GAD抗体やIA-2抗体、IAA抗体、ZnI8抗体といわれる膵島関連抗体がありますが、出現頻度はそれぞれ71%、62%、48%であり、出現確率の高いGAD抗体を測定することが一般的です。
- 特発性:
遺伝素因(最も強く関与しているのはHLA遺伝子)のもと、ウィルス感染などの環境因子が加わって、ご自身の免疫ウィルスの闘いによってインスリンを分泌する膵臓の細胞(β細胞)が破壊されて発症します。
現在、日本では上記の原因をもとに発症や進行の様式によって、3つのタイプに分けることができます。
- 劇症1型糖尿病(特発性)
- 急性発症1型糖尿病(自己免疫性)
- 緩徐進行1型糖尿病(自己免疫性)
1.劇症1型糖尿病(特発性)
ウィルス感染などを契機(約70%の症例で前駆症状として感冒様症状・腹部症状を認める)に、わずか数日間で膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)のほとんどが一気に破壊され、急速発症します。速やかなインスリン治療が必要です。こちらのタイプは、妊娠に関連して発症することもあります。
2.急性発症1型糖尿病(自己免疫性)
こちらは前述した自己免疫の異常に伴う糖尿病で、自己免疫機序によって膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)が月~年単位で破壊されます。最終的に膵臓のβ細胞の量が20%以下に低下したときに、高血糖に伴う症状が出現します。前述した抗体が陽性になります。
3.緩徐進行1型糖尿病(自己免疫性)
一見、2型糖尿病のように見えますが、膵島自己関連自己抗体が現在または過去において単独または複数陽性で、経過とともにインスリンの分泌が「年」の単位で低下し、数年後にインスリンが枯渇してしまう例がある糖尿病です。発症してから10年以上たってもインスリンが枯渇しないこともありますが、将来的にインスリンが枯渇してしまうことに対しての予防として、早期からインスリンを開始する場合もあります。
1型糖尿病に該当するチェックリスト
- 家族に糖尿病の人がいる
- 最近寝ている時によく足がつる
- 最近やたら喉が渇く(口渇)
- 最近目がかすむ
- 視力が最近低下してきたような気がする
- 最近何をやってもだるい
- やたら喉が渇く(多飲)
といったように、2型糖尿病と症状は似ています。
1型糖尿病の症状
- 劇症1型糖尿病(特発性):
約70%に上気道炎症状(発熱・咽頭通など)・消化器症状(上腹部通・悪心・嘔吐など)を認めることがあります。
- 急性発症1型糖尿病(自己免疫性):
2型糖尿病に準じます。
- 緩徐進行1型糖尿病(自己免疫性):
2型糖尿病に準じます。
1型糖尿病の治療方法(当クリニックでの取り組み)
当クリニックでは、血液検査の結果からインスリンの量に応じて、また膵島抗体によって、インスリン治療を開始していきます。場合によっては1型糖尿病の方でも服薬可能な内服薬を併用する場合もあります。
また、1型糖尿病の患者様もインスリン注射の方には、自己血糖測定器をお貸出しさせていただき、血糖値を測定していただきます。しかし、自己血糖測定が苦手な方には、 フリースタイルリブレやカーディアンコネクトといった持続血糖測定器を使用しながら血糖測定をしていただくことも可能です。
当クリニックでは、炭水化物量に応じてインスリン自己注射単位調節をお願いさせていただくこともあります。
FreeStyle リブレ(持続血糖測定器)取り扱い
FreeStyle リブレは、腕に貼り付けたパッチに機械をかざすだけで、血糖値をリアルタイムで測定することができる装置です。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。
地域病院との連携
血糖コントロールが不安定な患者様に関しましては、インスリンシリンジポンプのご使用をおすすめいたします。その際は、当クリニックから大学病院をご紹介させていただくことも可能でございます。まずは、ご相談ください。
また、かかりつけの大学病院にてインスリンシリンジポンプの針が1日以上抜けてしまっていることに気がつかず高血糖になってしまい、持続型のインスリン注射を持参されていない方に関しましては、代替インスリンを処方することも可能です。病態的にアシドーシスが著明である状況であれば、入院を要することもありますので、地域連携病院と連携をはかり、ご紹介させていただきます。
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